わんず日記。

ペキニーズとチベタンスパニエルのいろいろ 諸般の事情によりコールネームは明かしていません

副腎腫瘍について

東京農工大学動物医療センターでうちより前に手術予約していた犬友さんのコを
あっさり飛び越えて文字通り飛び込み手術になりました。

 

前の記事と重複する事もあると思いますが再度覚書として。

副腎腫瘍は2種類あり皮質腫瘍だとクッシング症候群と同様の症状が出て
見つかる場合が多く副腎腫瘍の中では8割、髄質腫瘍は疲れやすいとか失神の発作
が出て見つかるケースもあるが症状が出ないことが多く副腎腫瘍の中では2割。
下の犬はクッシングの症状(多飲や脱毛)はまったく出ていない事から
髄質腫瘍の可能性が高いと言われました。

人間の場合副腎は腎臓のすぐ上ですが犬は少し離れた場所にあり右の副腎は
左の副腎より深い場所で、副腎そのものが後大動脈に近い場所にあるので
手術の難易度が上がります(出血のリスクが高い)。

そして副腎はホルモンをつくる臓器なので皮質はコルチゾールなどのステロイド
ホルモン、髄質はアドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミンを作っています。
その副腎を切除する手術なので術中の刺激でアドレナリンの過放出が起これば
血圧の上昇を招き術中管理にとても気を使う手術なので、手術に関する
死亡率は10%、いろいろな手術の中では死亡率の高い方に入るそうです。

先に書いたように副腎は比較的深いところにあるため放射線治療は効果が薄く
(他臓器へのダメージが大きいため)、抗癌剤治療もコストの面で現実的では無いので
うちの下の犬の腫瘍の状態だと外科的に切除出来る範囲なので、後々の
QOLを考えた場合リスクはあるが切除をお勧めするとの事でした。

無治療の場合腫瘍は大きくなるので後大動脈が圧迫されることによる多臓器不全、
腫瘍そのものが破裂して腹腔内出血が起こる可能性があるということです。

術後、残っている副腎がきちんとホルモンを作ってくれればいいのですが
作ってくれない場合はホルモン補充が一生必要です。
そして血圧の安定やホルモン値の測定をするので入院期間が長めです。
最短で3日と言われたけどたぶんそれ以上になると思います。

 

このブログ、酸素発生器で検索して来られる方が多いので
副腎腫瘍についてもそういう方がいらっしゃるかもしれないと思い
記事にしておきました。乱文ですいません。